益子の風土と土、そして伝統の技術。
珠玉の逸品を創り出す人々をご紹介します。
- ご職業
- 陶芸家
- ご趣味
- 好きな陶芸家
- プロフィール
- 1977年 益子町に生まれる
1996年 県立真岡高等学校卒業
1998年 西武文理情報短期大学卒業
1999年 栃木県立窯業指導書伝習生終了
1999年 (有)小峰窯に入社
陶芸教室にて指導
今回は益子町にある「小峰窯」さんにお邪魔致しました。作家でもあり、そして陶芸教室の先生でもある作家人”小峰一浩さん”をゲストに迎えご紹介致します。
- 幼少期
- 幼少の頃は遊びながら陶芸には触れていたが、両親は跡を継ぐような強制はしなかった。
きっと抵抗しないように親はそっと見守っていたのだろうと話す。
本人も高校生の頃には自分の意思は大体決まっていた。 - 14種類の釉薬
- 昔は5種類だった小峰窯の釉薬。成分と原料のちょっとした違いで色が大きく変わってしまう。
お客さんの要望もあり、7種類に増え、10種類に増え、試行錯誤の末、今では14種類の釉薬を完成させた。釉薬の美しさこそ小峰窯の特徴ともいえる。 - 陶芸教室
- 小峰窯の陶芸教室はリピーターが多い。それは小峰さんとお話をしているとその理由がだんだん伺えてくる。お礼の手紙が届くこともしばしば。「とても嬉しいです」と顔をほころばせる一浩さん。
- 取材後記
- 小峰さんは僕と同い年でした。とにかくプロセスがしっかりしていることがとても印象的でした。
話をしていてとても魅力的な人で、とても興味深いのもまた印象的でした。リピーターの方々もまた小峰さんに会いたくなるんでしょうね。理由が分かります。小峰窯に、そして益子町に、遠方からも人を惹き付ける魅力とは「文化」だけではなく、これからの時代、もっとも重要視しなくてはならないのは「人」の魅力ですね。人間力とはこのことかも知れません。また近々お邪魔します!
小峰窯(小峰窯元センター)
- 住所
- 〒321-4217
- 栃木県芳賀郡益子町益子3169-1
- TEL
- 0285-72-6311
- URL
- http://www.komine-gama.com
- ご職業
- 陶芸家
- ご趣味
- 好きな陶芸家
- Randy
Woolsey、Tsuchiya Noriyasu、TAIZO
- プロフィール
- 1945年 アメリカ合衆国イリノイ州のシカゴに生まれる。
1969年 カリフォルニア州立大学サンタバーバラ校卒業。
心理学、陶芸を専攻し文学士の学位を授与される。
1969年 初来日、益子陶芸家、瀬戸浩氏に師事する。
1971年 デンマーク、フンデステットを訪れ、グータ・エリクセン氏に師事
する。
1974年 カリフォルニア州、ポイントレイズに初の築窯、LOS REYES
POTTERYを設け作陶に専念する。
1984年 日本に移住し益子町に築窯。ハービーヤング陶房を営む。
益子町にある「ハービーヤング陶房」にお邪魔致しました。
1969年にアメリカから益子町に一度訪れ、1984年から今日まで益子町へ移り住み、
永きに渡り益子で陶芸活動をしている作家人”ハービーヤングさん”をゲストに迎えご紹介致します。
- 窯は手作り
- ハービーさんの窯は自らCADを使いデータをベースに設計し、使うブロックの配列や温度管理などもすべて計算されています。 形も四角形で他の陶芸家とはデザインも異なり、決してアメリカ式というスタイルでもないそうです。
- プロフェッショナル
- 私がハービーさんと話した中で一番興味を惹いたのがこのプロフェッショナルという言葉です。 僕の中ではその仕事で食べられている人がやはりプロなんだろうという一つの定義がありました。
しかしハービーさんはそれは「ビジネスマン」としてのプロなんだと。確かに世の中売れている物が良い物ばかりでは決してないです。 そこには自然とビジネスも多く関わっているのも確かです。
作品に対するもの作りをプロフェッショナルな仕事として作り続けることこそが我々が一番大切なことであるということです。 - これからの陶芸家へのメッセージ
- 「Don’t smoke tabacco」。 技術、センス、タイミング、運、教育、何においても陶芸家は自らの眼が大切です。 眼に栄養がないと良い作品はできません。もちろん成功もできません。
そして身体への健康の問題です。私の多くの友人は肺ガンで亡くなりました。
自らの成功の為にもタバコを止め、体を一番に大切にしてあげて下さい。 - 取材後記
- 今回の取材で感じたことは今の時代のニーズに沿ったことがすべて出来ている人だということです。とても意外でした。作品作りはもちろん、お客様の手元に届くまでの一連のシステムを誰に頼ることなく自らの手で造っています。 ハービーさんはそれを当たり前に考えています。そしてとても人情味のある人だとも感じました。 そんな人柄が作品作りにもとても大きく出ているのではないかと思います。コーヒーを頂いた時に僕みたいな素人でも一つだけすぐに気付いたことがありました。
それはとても使いやすかったことです。単純なことかも知れませんが、人の手のサイズに合わせてとてもバランスの良い素敵なコーヒーカップでした。
ハービーヤング 陶房
- 住所
- 〒321-4104
- 栃木県芳賀郡益子町大沢3650-2
- TEL
- 0285-72-6484
- info@harveyyoungpottery.com
- URL
- http://www.harveyyoungpottery.com/
- ご職業
- 陶芸家
- ご趣味
- 漫画・散歩
- 好きな作家
- 大嶺 實清(陶芸家)・松本 大洋(漫画家)・林 完次(天体写真家)
- プロフィール
- 1984年 益子町に生まれる。
2007年 栃木県窯業指導所入所。
2009年 栃木県窯業指導所ロクロ科修了。
陶芸メッセ益子・陶芸教室勤務。
2011年 同所 退職。益子にて製作を始める。
益子町を中心に陶芸家として活動し、今後の活躍がとても楽しみな期待のホープ”豊田雅代さん”をゲストに迎えご紹介致します。
- 地元出身
- 益子が地元ということで小さい頃から陶器市などで焼き物に触れる機会は多かった。焼き物に興味を持ち始めたのが高校2年の頃。そして陶芸家への憧れもあったそう。一度は東京へ進学もしたが益子へ戻り陶芸の道を志す。両親が陶芸をやっていた訳ではないし、厳しい世界なんだと反対もあったそう。やはりきっかけは生まれ育った町に「民芸」という大きな文化に出会えたということ。
- 一番のこだわり
- 釉薬は飴釉(あめいゆ)と赤粉(あかこ)を調合しながら自分の出したい抽象的な色を作っている。粘土は益子産の白土と信楽産の土をブレンドし自分好みに使いやすく、理想の作品になるよう調合している。
- メッセージ
- 自分が使いたいものやこんなものがあったらいいなって思うものを製作しています。今後は陶器市などイベントへ参加をしながらグループ展や個展にも参加します。
- 取材後記
- 益子町には陶芸家を目指すいろいろな方が全国からも集まってきます。 家族の誰かがやっていた訳でなくてもゼロから陶芸家を志す豊田さんみたいな方もいることを知りました。これからの新しい世代として民芸という大きな歴史と文化を学び、そして益子焼という素晴らしい作品作りにぜひ期待したいと思います。そんな素敵な豊田雅代さんでした。
豊田 雅代
- ご職業
- 陶芸家
- ご趣味
- ドライブ
- 好きな作家
- 川内 倫子(写真家)・飯島 奈美(フードスタイリスト)・空女、利節(絵付師)
- プロフィール
- 1981年 東京生まれ
2004年 都留文科大学比較文化学科卒業
2008年 栃木県窯業指導所研修課程終了
茨城県笠間市槍檜佐陶工房勤務
2010年 益子にて独立
益子町を中心に陶芸家として活動し、今後の活躍がとても楽しみな期待のホープ”村田亜希さん”をゲストに迎えご紹介致します。
- 益子を選んだ理由
- 一番の理由は直観。そしていろいろ調べている中で益子の養成所にとても魅力を感じた。
大学を卒業し社会人として三年間勤めましたが会社を退職し、益子に行くことを決意。今は本当に来て良かった。 - 作品の特徴
- 自分が使いたいもの、使いがってがあるもの、サイズや形、手にしっくりくる、厚さや重みを意識した作品作りが中心。昔は可愛い作品が多かったが年々作風を変えながら今は絵付け、染め付けにも興味があり筆で書く作品が多くなってきている。しかし簡単には満足のいく作品を作るのは大変。だから毎日が頑張れる。
- メッセージ
- 今後は陶器市出店以外にも展示会などにも積極的に参加して頑張りたいです。。
- 取材後記
- 東京から仕事を辞め陶芸家の道を目指すということは大変な決断だったと思います。そして直観で益子を選んだということもきっと何かのご縁なんでしょう。 村田さんの作品は本当に細かいところまで眼が行き届いた気が遠くなるような作品の数々です。自分らしい素晴らしい作品作りにぜひ期待したいと思います。そんな素敵な村田亜希さんでした。
村田 亜希
- ご職業
- 陶芸家
- ご趣味
- 編み物
- 好きな作家
- 有元 利夫(画家)
- プロフィール
- 1984年 栃木県生まれ
2007年 桜美林大学総合文化学科卒業
2007年 栃木県立窯業技術支援センター入所
2009年 栃木県立窯業技術支援センター石科修了
益子町にて製作
益子町を中心に陶芸家として活動し、今後の活躍がとても楽しみな期待のホープ”大塚温子さん”をゲストに迎えご紹介致します。
- もの作りが好き
- 昔から美術やもの作りが好きで大学時代まではとくに絵を描くのが好きだった。そして大学で粘土の授業があり自分がやりたいものはこれだと思った。
- 作品の特徴
- 土は磁器(石の粉)100%のものを使用、ロクロは使わない。石膏(せっこう)の型に液状にした粘土を流し込んで「鋳込み」という技法で行う。釉薬は透明釉のみの一種類。
- デッドストック
- 昭和時代の作品が好きで柄や色、デザインなどに懐かしい雰囲気を取り入れている。架空のデッドストックがイメージとして強い。
- 取材後記
- 作家のみなさんを取材していくと、作品に自分のカラーやオリジナリティを表現する苦労がとても伝わってきます。大塚さんも自分は何を表現したいのかということを常に意識しながら作品作りをしています。私もこれから一つの作品に対してもさまざまな角度から感じ、楽しみたいと思います。
そして自分らしい作品作りにぜひ期待したいと思います。そんな素敵な大塚温子さんでした。
大塚 温子